クリスマスプレゼント
クリスマス5日前………。
「ネェ、夜一サァン…」
「なんじゃ、さっきから!」
自室で黒猫の夜一にしつこく聞く、浦原喜助。
夜一は話半分で毛繕いをしている。
「だからぁ、女性ってクリスマスに何を贈ると喜ぶんスかねぇ…。」
「何故、儂に聞くんじゃ!?」
「夜一サンだって一応女性…って、顔が痛い!!」
「一応は余計じゃ。…もっと引っ掻いてやろうか!?」
顔には夜一の爪痕が4本。
それをさすりながら、喜助は眉毛を下げる。
「これでも結構悩んでるんスよ〜。」
「どうせ、
へのプレゼントなんじゃろ?」
「わかっているなら話は早いッス♪」
「お得意の『さぷらいず』ってヤツでよかろう。」
「いや、それが…。」
喜助は溜息を1つ。
「もしもですよ?サプライズなんかやっちゃって、
サンの気分を害したらマズイじゃないッスか〜。」
夜一は、喜助の顔を見るなり、こちらも溜息を1つ。
「…喜助、お主本当に小心者じゃのう。」
「
サン限定ッスよ♪」
「ったく…。」
「夜一サンだったら、何を貰って嬉しいッスかね?」
「儂か?儂はのぅ…『ほっとけーき』か『無敵な防具』が良い♪」
「ホットケーキはわかりますけど、『無敵な防具』って言うのはイヤミッスか!?」
「お主がそう思うんなら、そうなんじゃろ。」
夜一は窓枠に立つと喜助の方へ振り向く。
「夜一サン!まだ話の途中ッスよ〜!」
「何が『話の途中ッスよ〜』じゃ!そのくらい自分で考えろ!」
「つ、冷たいッス!」
「贈りたい物がわからんのであれば、
本人に聞いてみれば良いではないか。
本人が欲しい物を贈るのも、おなごに喜ばれると思うぞ。」
「あ!夜一サン!!」
夜一は、窓から出て行ってしまい、喜助は困り顔。
しかし…。
「『本人から欲しい物を聞く』ッスかぁ〜。なるほど、そういう手もあるんスねぇ。」
喜助は、
本人に聞くことにした。
「こんばんは。喜助さん。」
「いらっしゃあい。
サン♪」
クリスマスの2日前、
は浦原商店へ遊びに来た。
すぐにでも、プレゼントの件を聞きたかったが、
外野(ジン太・ウルル・テッサイ)の聞き耳チームに聞かれるのも嫌だったので
ここはグッと我慢の喜助、
が帰るまで待つことにした。
いつものように楽しくお喋りをし、そして頃合いを見て
は家へ帰る。
喜助はなるべく彼女のマンション前まで送るようにしているのだが、
時によっては店の前で見送ることもある。
しかし今日は例の件を聞きたいので、
を送ることにした。
「…寒いッスねえ…。」
「本当に。雪でも降りそうな寒さですね。」
「………」
「喜助さん、その羽織だけで寒くないんですか?」
「………」
話すタイミングが喜助には掴めない。
しかも意識しまくっているせいか、会話もぎこちない。
そんな喜助を
は不思議に思った。
「喜助さん?」
「あ、はい…!?」
「何かあったんですか?」
「い、いえ…何もないッス…。」
そしてまたしばらくの間。
が喜助をチラチラと見ているようだ。
(は、早く聞かないと…マズイッス…。)
「「あ、あの…。」」
2人同時に同じ言葉を発したので、お互いに顔を見合わせて驚く。
「
サン…先にドウゾ…。」
「いえ…喜助さんから…。」
「いえいえ、
サンから…。」
「………それじゃあ、お先に…。」
は喜助の顔を見てニコリと微笑む。
「喜助さん、クリスマスプレゼントって何が欲しいですか?」
「…へっ?」
喜助は驚いて立ち止まってしまった。
はそれを見て、更に驚く。
「わ、私、何か変なこと聞いてますか?」
「いえ…そうじゃなくてですね…。」
「実は…アタシも同じ事を
サンにお聞きしようと思ってたんス。」
(
サンもアタシのためにプレゼントをアレコレと考えてくれてたんスかねえ。)
喜助は、
が自分と同じ事を考えてくれたことに嬉しさを覚えた。
「…それで、アタシが欲しい物…ッスよね?」
「はい。」
「…そうッスねぇ…。」
実際、プレゼントで喜助が欲しいものは…ない。
本当に欲しいものは、お金では買えないもの。
「…うーん…」
「あの…そんなに考え込まなくても…。」
「アタシの欲しいものって…実は『物』じゃあないんスよ。」
「『物』じゃない?」
「はいナ。逆にお尋ねしますけど、
サンは何が欲しいッスか?」
「私…ですか?」
「ハイ♪」
も、プレゼントで欲しいものはない。
本当に欲しいものは、お金では買えないもの。
しかし、二人とも相手に言うことが出来ない。
「アナタの心が欲しい」なんて。
「私は…いつまでも喜助さんが仲良くしてくだされば充分です。」
「そりゃあ…アタシの台詞ッスよ。こちらこそいつまでも
サンがアタシに笑いかけてくだされば…。」
「他に欲しいものなんてないッス。」
「喜助さん…。」
「お金じゃあ買えないものですが、アタシはその方が嬉しい。」
「…はい、私も。」
「それじゃあちょっと早いですが、今、プレゼント交換ッス。」
「え?どうやって…。」
喜助は
の手を握る。
「手…ぐらい繋いでも怒らないッスよね?プレゼント交換の証みたいなもんス。」
「…喜助さんの手は温かいですね。」
「
サンの手が冷たすぎるんスよ。相変わらずなんつー手をしてるんスか!?」
「そうですか?もう慣れちゃって(笑)」
「これじゃあ、アタシがいつも温めないと駄目ッスねぇ。」
今年はきっと素敵なクリスマス。
いつかカップルで過ごせることを願って----------!!
FIN :*:・。,☆゚'・:*:・。・:*:・゚'☆,。・:*:*:・。,☆゚'・:*:・。・:*:・゚'☆,。・:*
夜一「喜助!酒を持ってこい!酒盛りじゃ!」
喜助「酒盛りって…クリスマスッスよ?」
夜一「だから、『くりすます』というのは祝いなんじゃろ?
祝いと言えば酒ではないか。」
喜助「ええ…まあ…お祝いなんですけどね…。どっちかというと
シャンパンとかワインじゃないッスかねえ。」
夜一「儂はいつもの酒の方が好きじゃ。」
喜助「…はぁ…そッスか…(^^ゞ」
夜一「それから、『くりすます』というのは鶏肉を食するんじゃろ?」
喜助「鶏なら用意してますよん♪」
夜一「もちろん、儂のは鶏まるごとなんじゃろうな!?」
喜助「…そりゃあもう、夜一サン仕様で『七面鳥一羽』ッス♪」
バリバリバリ…(←夜一サンが鶏を食べてる音)
夜一「なかなか美味かったのう…次は、『けーき』じゃな♪」
喜助「ハイハイ、これも準備…」
夜一「ちょっと待て!!」
喜助「はい!?」
夜一「現世のどこかで見たんじゃが、何段にも重なっていてのう、
なぜが一番上に男女の人形が差してある『けーき』を見たんじゃが、
あれが良いの♪なにしろ大きさが♪」
喜助「…夜一サン…、あれは『ウェディングケーキ』ッスよぉ。
現世で結婚式を挙げるときに食べるんス。」
夜一「……祝言の時に食べる…」
喜助「そおッスよん。」
夜一「祝言も『くりすます』も同じ祝い事じゃ!早く用意しろ!喜助!!」
喜助「ったく!食い意地だけは虚級ッスねぇ…」(-。-) ボソッ
夜一「んっ!?何か言ったか!?喜助ェ〜!!」
喜助「いえいえいえいえいえいえ!!!なぁ〜〜〜〜んにも♪」
夜一「儂のことを悪く言うと…」
喜助「…へっ!?」
夜一「過去の恥ずかしい話を
に暴露するからの♪」
喜助「どおーーーーして話がそこに行くんスかぁ!?」ヽ(`Д´)ノウワァァァンン
夜一「『めりい くりすます』じゃ♪喜助。」
喜助「メリー クリスマス… …ッス(泪)」