「weight of word」
今日は
が来ていて…というかほぼ毎日来てくれているのだが…
今日こそは『あの事』を聞いてみたいと思う。
「もし…俺が死んだら…?」
彼女は、四番隊の俺専用の救護班を務めてくれてるが、他でもない俺の想い人。
といっても付き合っているワケでもなく、学生時代の同期生でもあり、親友でもあり。
何十年経った今でも、京楽を含む三人で酒を酌み交わすこともしばしば。
そんな
に『俺がもし…』と尋ねたら彼女はどういう反応をするのだろう。
悲しんでくれるだろうか?それとも泣いてくれるか?
不謹慎極まりないことを聞くのだと自分でも思う。
もともと死神なんて、いつ死ぬかわからない。
それなのに、病で臥せっている俺は一体何なのだろう。
死ぬことは怖くない。ただ自分の大事な人を護れない歯がゆさに苛立ち、
死んだときに、最愛の人は悲しんでくれるのだろうかと思うだけ。
そう思ったらどうしても聞きたくなって。
「十四郎、どうしたの?調子悪い?」
「いや…… … あのな、
。」
「ん?何?」
「真面目な話をするから…聞いてくれ。」
「う、うん…」
は診察日誌でもつけていたのだろう。
書き物をやめて十四郎の方を向いた。
「なに?」
「
…。もし…、もしもだぞ…。俺が死んだら…。」
の目が少しだけ見開いた。
「……」
「
?」
「……」
「お、おい!」
が十四郎の目の前までズズッと寄る。
そして、
バチーン☆!!
十四郎の左頬を思いっきりひっぱたいた。
「!?」
十四郎はあまりの出来事に呆然としている。
目の前の
はというと…霊圧あげて、かなりのご立腹。
「そんなに死にたいんだ!」
「た、例え話だぞ。」
「死にたいなら四番隊詰所に行けば薬がたくさんあるわよ!」
「ま、待て!話を聞いてくれ!」
十四郎は何故そんなことを聞いたのか、なぜそう思ったのか、
事の詳細を
に話した。
「…わかってくれたか?」
「わからないわよ…」
「
!」
「十四郎…あのね、言葉には『言って良いこと』と『悪いこと』があるのよ。
いくら『例え話』でも言ってはいけないことがあるの!」
「す、すまん。」
誰もアナタのこと悲しまない人なんているワケないじゃない!
と、悲しそうな顔で話す。
「言葉にはね『重み』というものがあるのよ。その言葉がいつ誰かの『重み』になるかもしれない。
それだけ『言葉』というのは大事なものだと思うの。」
「……」
「悲しい重みもあれば、嬉しい重みもある…。それに『言霊』のように話した言葉が本当になる
ということもあるのよ?」
しばらくの沈黙の後、先程叩いた十四郎の左頬をさすって
「さっきの話ね、私は悲しまないし、もちろん涙も流さないわよ。」
「そ、そうなのか?」
「だって…」
「だって?」
「私が何十年かかっても、必ず十四郎の病を治すから。
だから十四郎は死なないわよ。」
…
……
……… ヤラレタ!!
俺の思いもつかない言葉が返ってきてた。
ったく…。
嬉しすぎて、お前の『言葉の重み』に潰されそうだよ…。
END
※こと‐だま【言霊】
古代日本で、言葉に宿っていると信じられていた不思議な力。発した言葉どおりの結果を現す力があるとされた。
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