「a bowl of rice and tea」
「今日の診察は終わり。これ今日の薬ね。」
今日も
が四番隊から来てくれている。
診察と薬なんて両方とも御免だが、大親友の
が担当ならば仕方がない。
というか俺の想い人だからな。できればこのままずっと居て欲しいぐらいなのだが。
「そうだ、昼メシでも一緒にどうだ?」
俺は、少しでも
と一緒にいたいから
あまり食べたくもない昼メシを誘ってみた。
「うーん…」
「どうした?」
「あまり食欲がないのよね。」
暑いからね…と言って
が苦笑した。
自分も人のこと言えないのだが、食欲がないから食べないというのは…。
「
。」
「ん?」
「実は俺もあまり食欲がない。」
「ダメだよ。十四郎は食べないと。」
「そこでだ」
「?」
「食欲が無いときでもなんとか食べられる物を食べよう」
「??」
「ここで『茶漬け』を食おう」
は少しビックリした。
ここで?雨乾堂で茶漬け…。
しかし、すぐに可笑しさが込み上げてきて、
「あはは… 十四郎らしいね。いいよ!十三番隊の詰所を借りて準備してくる。」
ちょっと待っててね、と言って雨乾堂を出た。
*
しばらくして、
が昼飯の用意をして雨乾堂に入ってきた。
「お待たせ〜」
暑いから冷たいお茶漬けにしちゃったけどイイ?と
が聞いてくる。
「おう!暑いからな、その方が都合がいい。」
「ゴハンもね、ちゃんと洗ってきたから。」
十四郎の布団を少し寄せて、食事の準備を手際よくはじめた。
「十四郎は『梅茶漬け』が好きだよね。だから『梅干し』」
「
は何だ?」
「私?私はねー、『鮭茶漬け』です!」
皿に乗った焼き鮭の切り身を十四郎に見せた。
「じゃ、食べますか!」
「そうだな」
二人、向かいあって座り茶漬けを食べ始める。
十四郎は、自分が寝泊まりしてる…しかも万年床の部屋で
ニコニコと茶漬けを食べている
が愛しくて仕方がなかった。
普通、女性は外食で綺麗な物・美味しい物を食べるのが好きなんだろ?って思っていたから。
(↑十四郎の勝手な解釈ですが…)
それなのに、
はどうなんだ?
これではまるで夫婦のような…
夫婦…
…
茶漬けをかっこみながら、十四郎の顔がだんだん紅くなってきた。
「十四郎、具合悪い?顔が紅いよ?」
「え?だ、大丈夫だ。」
茶漬けを食いながら妄想してたなんて言えません。
顔を隠すように十四郎は黙々と食べた。
サラサラ…
ピタッ。
サラサラ…
ピタッ。
の茶漬けの食べる音がときどき止まる。
「
、どうした?」
「十四郎…、『梅茶漬け』美味しい?」
「ウマイよ…?」
「私も一口食べたい…。」
「もっと食えよ。梅干しもまだあるし。」
「そうじゃなくてね」
「?」
「おかわりすると量が多いし。鮭茶漬けに混ぜると味が混ざっちゃうでしょ。」
「そうだな」
「十四郎の…一口食べさせて!」
「なっ!」
饅頭の食いかけを食べるのと違うんだぞ!
こんな茶漬けの…飯がぐちゃぐちゃ状態の…つーか俺の食いかけを食うのか!?
「い、いや…これはダメだ!」
「えー、なんでー?」
「こんな食いかけを食べるもんじゃない。」
「うー。他人が人様のを食べるのはやっぱりキタナイか〜。」
「そうじゃない!」
俺がハズカシイんだよ…。
「学生の時は、なんでも一緒に食べてたのにぃ…」
…
……
あー!もう!!全く!!!
「食べるか?」
「ヤッター!ありがとー!」
は嬉しそうに、十四郎の梅茶漬けを食べた。
「んー♪『梅茶漬け』もなかなか美味しいね♪」
「そうか?」
満足、満足と言いながら、
はお茶を入れる。
十四郎は顔の赤みもやっとおさまり、お茶を飲もうとしていた。
「あ!」
「ん?」
「十四郎!ちょっと。」
「?」
十四郎の頬のあたりの髪の毛にご飯粒が付いているのを
が見つけた。
「ご飯粒付いてる!十四郎の髪は白いから今迄気づかなかったね。」
そういって、それをつまんで
パクッ!
と、食べてしまった。
その後の
の笑顔をまともに見ることが出来なくなった十四郎。
やっとおさまった顔がまた紅くなったのは言うまでもない。
今度、
に『顔が紅いよ?』と聞かれたら、『お茶のせいだ』と言っておこう。
END
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