「a lock of hair」
さすがに夏だけあって、今日は朝から暑い。
そんな暑さでも、
は俺の救護班として毎日顔を出してくれる。
自分の想い人がこうして自分を訪ねてくれるというのは、嬉しいものだ。
そして今日も…
「
!」
「ん?なに?」
の髪は漆黒の長髪で腰ぐらいまでの長さがある。
しかし今日は珍しく後頭部の高い位置で一本に縛っていた。
「珍しいな…髪を縛るなんて。」
「そお?昔は縛ってなかったっけ?最近暑いからね。」
ホラ、こうすると首が涼しいじゃない!
そういって俺にうなじを見せた。
ドキッ…
い、色っぽい…。
「どおしたの?熱でもあるんじゃないの?」
「えっ、いや、なんでもない。」
「顔赤いよ?」
「だ、大丈夫だ!」
ならいいんだけど…と熱を診ようとした手を
は引っ込めた。
それにしても、首…白いなあ… … …。
「…しろう… 十四郎!」
「うわっ、な、なんだ?」
「何、ボーっとしてるの?」
お前のうなじを見てボーっとしてました…なんて言えんだろう…。
「ねえ十四郎、髪切ったら?」
「は?」
「だってさ、暑いでしょ?縛るのもイヤみたいだし。」
「縛るのはイヤだ。京楽とかぶる。」
「…かぶらないと思うケド…(笑)」
だって髪の色も質も違うじゃない…
フフッと
が笑った。
「じゃあ、切る?」
「そんなに切らせたいのか?」
「だって、学生の時短かったじゃない。私あの髪型好きだったんだけどな…」
そうなのか?
十四郎の心が少し跳ねた。
「そういえば、春水も髪短かったよね?そして今は二人とも長いのね。」
「そうだな」
「髪までお揃いにして…仲の良いことで…(笑)」
「おい…」
がコロコロと笑う。俺と春水はイイオモチャにされてるらしい。
「あ!そうだ!」
「ん?」
「髪切ったら…一房頂戴!」
だから、切らないぞ!って…。
しかし何故、髪の毛を一房…?
「そんなもの持っていってどうすんだ?」
「あのね…十四郎の髪ってキレイな色してるでしょ。」
「だからね、その髪で髪飾りを作ろうって思って…」
「髪飾り?」
「自分に付けるのよ」
十四郎は意味がよく理解できなかった。
俺の髪で作る?飾る??
「私の髪の色が黒じゃない、そして十四郎が白でしょ?一房だけ私の髪を白くしたり、三つ編みするときに
混ぜたりしたら、カワイイと思わない?」
「うーん…」
「脱色したり染めたりするのはイヤだからさ…」
あー、そういうことか…。まあ廃品利用みたいなもんだな…。
「あ!今、『なんだ、そんなことか』とか思ってたでしょ!」
あいかわらず、そういう所はスルドイな…。
「でもねー」
「ん?」
「たとえ髪の毛でも一緒にあれば、本人がそばにいるみたいな気がするじゃない!」
「!!!」
なんかすごく嬉しいようなハズカシイような…
全く… こういう所は天然だよな…。
「なんかサ、十四郎に護られてるような…というか、お守りみたいなカンジ?」
「そ、そうか?」
「? 十四郎、顔が赤いけど…熱が出てきた??」
「い、いや…熱は出てない…と思う…(汗)」
でも、髪切らないんデショ?と残念がる
。
「ああ、髪は切らない。」
髪なんかなくても俺が護ってやるよ…。
「ま、いいや!」
こんなに長くて素敵な髪だから、切るの勿体ないよね…。
そう言って嬉しそうに俺の髪をさわった。
END
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