「bad dream」
目の前で一体何があったんだ!?
俺の目の前で…
が倒れた。
(
----------------!!!)
叫びたくても声が出ない。
身体も動かない。
の前には虚がいた。
そいつは倒れて動かなくなった
に更に攻撃を仕掛けた。
(やめろ!やるなら俺をやれ!!)
心の中で思いっきり叫んでも虚は攻撃を止めなかった。
それどころか、俺の方をチラリと見て「ニィ…」と笑いやがった。
は…血だらけで動くことはなく、俺はその傍さえ行くことができない。
……と、その瞬間、目の前の虚が消えた。
同時に俺の身体も自由が利くようになり、急いで
の元へ駆けつけた。
「
!!」
は…微かだが、息をしていた。
「今、急いで卯の花の処へ連れていくからなっ!」
そう言って瞬歩で四番隊へ向かおうとしたとき、
の眼が開いた。
「
!」
「十…四郎…。…ケ…ガは…?」
「俺は大丈夫だから喋るなっ!」
「そ…う…… …よか…っ…た…」
は少し微笑んで… 身体のチカラが抜けた。
「
…??」
の身体は動かない。
目の前が真っ白になって…真っ黒になって…。
漆黒の闇に俺一人。
俺は一体何をしていたんだ?隊長になっても大事な人一人さえ守れなかったじゃないか…。
その時、ただボーッと暗闇で立つ俺の耳に、俺の名前を呼ぶ声が聞こえたような気がした。
「誰……だ…?」
暗闇の中で、俺の頬に伝わる感触…。
思わずその感触を掴み、手前へと引っ張った。
「十四郎!」
「 …
!?」
目の前にいるのは、先ほど動かなくなったはずの
。
十四郎はそのまま
を抱き寄せた。
「どっ、どうしたの? 十四郎!」
「ヨカッタ!生きていたんだな!」
十四郎が少し震えているのが
にはわかった。
四番隊から診察と薬を届けに雨乾堂へやってきた
だったが、十四郎が眠っていたので、しばらく様子を見ることにしていた。
しかし先ほどのうなされようといい、今の十四郎の反応といい、
どうやら悪い夢でも見たようだ。
は十四郎に抱きしめられたまま、自分の両腕を彼の背中に廻し、
ポンポンと軽く叩いた。
まるで子供をあやすかの様に。
「大丈夫。私は簡単には死なないから…」
「黙っていなくなったりしないから…」
しばらくの沈黙の後、
「うわっ!」
と、一言叫ぶと十四郎は
から急いで離れた。
「十四郎?」
「すっすまん!寝ぼけた!」
十四郎の顔は真っ赤で、下に顔を向け黙ってしまった。
いくら
のことが好きだから…心配だからと言って抱きしめるのはマズイだろう…。
親友ではあるが、恋人同士ではない。京楽のようなことは出来ん。 ←おいおい…(by京楽)
しかも寝ぼけてこのザマか…
ただただ恥ずかしくて、頭の中は少々パニックを起こしていた-----------------------------------が、
「私の事、心配してくれたんでしょ?」
と、
が十四郎の手を取って言った。
「
…?」
「それは『夢』だから。ただの『悪い夢』だから。」
「いや、それもそうなんだが、俺が言いたいのは…」
「私なんてしょっちゅう寝ぼけたりしてるよ(笑)この間なんて夢で虚と出くわして、斬魄刀を抜いたと思ったら…『孫の手』だった。」
「… そうなのか?」
「…うん」
十四郎が吹き出して笑った。
一緒になって
もクスクスと笑い出した。
「
の寝ぼけっぷりもナカナカのもんだな(笑)」
「でしょ!だから少々の事は驚かないわよ。だから…」
「そんな夢で心配したり悲しんだりしないで。」
「… … そうだな…」
『悪かったな…』そう十四郎が言おうとしたとき、
が笑顔でこう言った。
「もし、私が本当に瀕死になったとしても、絶対先になんて逝かないよ。
だって十四郎の病気を治す人がいなくなっちゃうし…」
しかし十四郎の顔からは笑顔がなくなり、
の手を力強く握り返して、
「『もし、瀕死になったら…』なんて言うな。『もし』なんてあるわけないんだ…。」
と少し悲しげな声でつぶやいた。
さっき見た夢を思い出したのだろう。
「…ごめん。結局心配させるような事、言っちゃったね…。」
「いや…、元はと言えば俺が変な夢を見たからだな。」
「もっと楽しい夢を見たいね…。」
「そうだな…。」
「ん〜、例えば… 十四郎が元気になって、私と何処かへ遊びに行くとか…。」
「元気になる…か。いつのことやらだな…(苦笑)」
「何言ってるの!これは近い将来『現実になる夢』なんだからねっ!」
だから、早く良くなる為に、十四郎も私も努力しないと…!
やたら意気込んで話す
を見て笑いそうになった十四郎だが、
何か1つひらめいたようで、
「じゃあ元気になったら、俺の願いを1つだけきいてくれないか?」
「願い事?」
「そうだ。」
「え〜 なんだろ?願い事を先にきいてから、叶えるかどうか判断するっていうのも手だよね。」
「それって先に知りたいだけだろ?」
「あ、バレた?」
あはは…と
が笑った。
俺の願い事は… 今はヤメておこう。
今言ったら、スグにでも現実にしたくなってしまうから。
だから、今は『良き夢』のままで。
必ず現実になるまでは------------------------------------------。
END
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