「birthday2006(kyoraku ver.)」
「うわっ、もうこんな時間!」
仕事をなんとか切り上げて、
は急ぎ春水の家へ向かった。
自宅へ伺うのに死覇装では失礼かと思い、急ぎ着替えてから向かう。
なぜ
が彼の家へ向かっているかというと、
それは今から一週間ぐらい前、忙しい合間を縫って久しぶりに春水とお昼ゴハンを食べたとき
「
ちゃん、来週の11日ってヒマ?」
「11日?丁度一週間後だよね」
「仕事が終わってからなんだけどサ」
「んー、ちょっと遅くなってもいいなら大丈夫よ」
「遅くなっても構わないよ。ウチで遅い晩飯でも食べないかい?」
『ごちそうするよv』春水にそう言われ、今向かっている最中。
『遅くなっても構わない』と言われたものの、
『夕食』というよりは『夜食』に近い時間。
あらかじめ地獄蝶を使って遅くなる旨は伝えていたのだが。
「いらっしゃいませ、
様」
死神となって「京楽家」を出ているとはいえそこは上級貴族。
身の回りの世話をする人が数人いるのは至極当たり前のことであって
(いつ来ても緊張するわ…)
そんな事を思いながら、春水の待つ部屋へ向かった。
「いらっしゃーい!
ちゃんvv」
「ごめんね、遅くなっちゃって」
「大丈〜夫v七緒ちゃんからたっぷり残業を渡されていたからねv」
ボクもさっき帰ったばかりなんだ…と春水は苦笑した。
「食事は…もちろんまだだよね?」
「モチロン!お腹ペコペコデス(笑)」
それじゃあ、宴を始めるか!と、続き間の襖を開けた。
その部屋は外の庭と続いており、
料理と酒は縁側へ準備されている。
「うわ…美味しそう…」
「でしょv今日のために仕入れてきたものばかりだよ」
春水が『さっ、早く席に着こう』と
に手招きをした。
も嬉しそうに春水の隣へ座る。
「春水、お注ぎしますわ(笑)」
「じゃ、遠慮なく」
二人だけの宴会は、遅くまで続いた。
宴会の開始がかなり遅かった為、気が付くと月はかなり高い位置にあって。
「春水〜、そろそろ帰らないと…もうこんな時間…」
少し顔の紅い
を見ながら春水はニコリと笑う。
「こんな時間に女の子を帰らせるなんてキケンだよ」
「私は普通の女の子じゃないから大丈夫よ(笑)」
たしかに四番隊とはいえ、隊長格レベルの技術を持っているので
普通の女の子…ではないのだが……。
「でも、顔が紅いよ」
「紅い?少し飲み過ぎたかしら…」
「明日は仕事なのかい?」
「明日はね〜1ヶ月ぶりのお休みが貰えたのよ〜v」
酔っているので、かなり饒舌になっている
。
嬉しそうに話す
を見て春水も嬉しくなる。
「じゃあさ、ウチの客間に泊まっていきなよ。朝ご飯を食べてから帰ればいいじゃない」
「え…、それではまた迷惑がかかるし…」
「迷惑なんてかからないよ(笑)一緒に朝飯を食べてくれる方がボクも楽しいからね」
「…そお? でも明日出勤よね?」
「ん?時間差出勤だから大丈夫v」
「いつもそんなコト言ってるじゃない〜」
二人で大笑いした。
「そうと決まれば、もう少し呑もうか」
「春水〜飲み過ぎだよ〜」
言葉では言うものの、
は春水の猪口に酒を注ぐ。
普段の
では絶対にありえないことなので、
やはり酔っているんだなあ…と春水は苦笑した。
「あのね…春水…」
は猪口の酒をちびちび舐めながら、問う。
「なんだい?」
「なんで自宅でご馳走してくれたの?」
春水に想いをよせている
にとって、それは当たり前の質問である。
シラフの
だったら、思うだけで絶対にクチにしない質問だ。
「ん〜?」
「しかも私だけ…」
「…二人で食べたかったのさ」
「なんで?」
「自分の誕生日ぐらいは好きな子と一緒にいたいデショv」
「誕生日…」
「…春水の?」
「そvv」
「………」
「(^_^) ニコリ…」
「しゅっ、春水ッ!!! ご、ごめんなさい!!!」
「な、なにが?」
は今、春水の誕生日だったことに気づく。
仕事が忙しかったとはいえ、自分の想い人の誕生日を忘れるなんて…!
恥ずかしいやら、情けないやらで少々パニックを起こしている。
「
ちゃん、落ち着いて!」
「…春水…、誕生日忘れてた…お祝いも持ってこなかった…」
「何言ってんの〜。いいんだよ、最近仕事が忙しかったじゃない」
「でも…」
「こうやって、二人でお酒も呑めたんだから…v」
そうさ…大好きな人と誕生日を一緒に過ごせたんだからネ。
だから気にしないで……と
の頭に手をやる。
「…でも…これじゃあ、私の気がすまないわ…」
「…う〜ん、まいったねえ…」
「何か欲しい物とかない?」
「欲しいもの?」
「あまり高い物は困るけど、何かないかしら…」
春水は顎に手を当てて少し考えた。
しばらくすると、何やら思いついたようで
「じゃあね」
「うん!」
「ボクに『ちゅう』してv」
は少し驚いたが、大好きな春水のため、うなずいた。
春水もまさかOKだとは思わなかったが、これもまた酔ったせいなのだろうと思い、
それはそれ、これはこれ…と満面の笑みを見せた。
「ホント!嬉しいなあvv」
「恥ずかしいから、目を閉じて。」
「ん…。これでいいかい?」
ちゃんは、どこにしてくれるんだろうv
左の頬かな?右の頬??
いや、額かも…vv
もしかしたら、このボクのステキクチビルだったりして!!!!!!!
それは無いかあ…とあれこれ期待をしつつ
のキスを待つ。
ちゅっ…
「えっ!?」
吃驚して春水は自分のクチをおさえる。
そして顔はみるみる紅くなっていった。
「”$&()%#”#%!!!(←意味不明)
ちゃんっ?」
「なっ、なに?」
「ク、ク、ク、クチに…」
「クチにって… ……??? もしかして、マズかった?」
「そ、そうじゃなくてっ!」
「ゴメンッ!『ちゅう』って言ったからてっきり『クチ』にするもんだと……」
絶対に「酔っている時」じゃないとありえない事だな(苦笑)
「謝らないで!嬉しかったんだから!」
「…… 本当?」
少し紅い顔の…上目遣いの
をチラッと見た。
その仕草が…顔が…可愛くて、思わず抱きしめたくなる。
そこをグッと堪える春水。そのかわり
に1つだけ問うてみた。
「
ちゃん…ボクことどう思ってる?」
「えっ?」
「酔っている
ちゃんに聞くのは失礼かとは思ったんだけどね」
「……」
「
ちゃん?」
「……ないじゃない…」
「?」
「キライなワケないじゃない」
「……ボクも…」
「…?」
「ボクも『キライなワケなんてない』サ!」
二人ともお互いの気持ちを知っていたから、驚くことはなかった。
ただ初めて自分たちの気持ちを言葉にしたのが
ボクの誕生日だったってこと。
今度は君の誕生日に何かしたいなあ…。
モチロンボクだけが祝いたいんだけどね。
「な〜に笑ってるの?」
「ん〜?ナイショv」
「ナイショ〜?」
「
ちゃんのことを考えていたんだよ(笑)」
「フフ…」
朝までは、しばらく時間があるようだ。
その間、春水の理性が保つのか、
が巧くかわすのか(笑)
それともこのまま、ゆったりと時を過ごすのか……。
それは月だけが知っている。
END
画面を閉じてmenuにお戻り下さい。
------------------------------------------