「明日はいよいよ卒院式だな」
嬉しそうに十四郎は話す。
「そうしたら僕らはいよいよ護廷十三隊の一員となるわけか…。
今まで以上によろしくネ…
ちゃんvv」
「おいっ京楽!俺には挨拶はないのか?」
「僕はヤロウに興味ないし…」
十四郎と春水のふざけあいを少し淋しそうに眺める
。
それに気づいた十四郎が声をかける。
「どうした?… 。具合でも悪いのか??」
「え?ううん、大丈夫だよ!ちょっとボーっとしてただけ」
あわててニッコリ微笑む
の手をとり春水がささやく。
「そんな
ちゃんもス・キ・vv」
「ハイハイ…春水、よくわかったから」
三人はいつも一緒。成績もトップ3を独占。
そして未来の護廷十三隊を担い、隊長になるべき者ーーーーーーであるハズだった。
あの時、俺が気づいていれば…。
あの時、アイツの悲しい顔に気づいていれば…。
「fill」
- prologue 00 -
卒院式当日。この晴れやかな日に、
がいない。
「京楽っ!
知らないか?」
「浮竹…僕もさがしているんだけど…」
二人で懸命に をさがす。
しかし、どこをさがしても の姿はない。
「
ちゃんのことだからサ、ギリギリに来て
『春水、十四郎ゴメ〜ン』とか言って来るんじゃないかな」
「そうだといいんだが…」
これは自分たちを落ち着かせる為に言った言葉。
第一、
は遅刻なんかしないことを二人は知っている。
しかし時間はどんどん経っていき…。
卒院式が終わっても の姿はなかった。
「なんで がいないんだよ!」
十四郎が春水に苛立ちをぶつける。
「ボクにあたって ちゃんが出てくるなら、いくらでもあたって構わないさ」
「すまん…京楽」
なあ、何があったんだよ…。
「何処行ったんだ…
」
院生時代の一番イヤな出来事。
しかし時は無情にも過ぎていく。
月日は流れ、京楽春水は八番隊隊長、
浮竹十四郎は十三番隊隊長にそれぞれ納まる。
「あれからどのぐらいたったのかナァ…」
見舞いがてら雨乾堂に遊びに来た春水が突然話しだす。
「?? 何がだよ…京楽」
「 ちゃんがいなくなってからサ…」
ああ…と返事なのか溜息なのかわからないような
声を十四郎は吐き出す。
あれ以来
の行方はわからず。
他の院生に聞いても先生に聞いても誰もわかるものはいなかった。
寮舎にある
の部屋は… もぬけの殻で
彼女の物は一切なかった。
「僕ね、
ちゃんはすごい近くにいるような気がするんだよね…」
春水が空を見ながらつぶやく。
「
ちゃんの霊圧らしきものを感じることがあるんだ…」
「なに…?」
無理もない、十四郎は体調も悪く隊首室である「雨乾堂」にほぼ篭もっていることが多く
いちいち霊圧の判断なぞすることもなく。
ましてや彼女の霊圧を探そうなんて考える余裕もなく。
「でも違うカモしれないしね…」
あくまでも彼女に似ている霊圧ということだけだからサ…と
半ば諦めのような口調で春水がポツリと話す。
「俺とオマエが
の霊圧をわからないワケがないだろう?なんだよ!あいまいな言い方をして!」
「なんか…こう…違うんだよね」
何がどう違うんだ!
は
じゃないか!
十四郎は苛立つ感情を抑えつつ春水に問いかける。
「
ちゃんの持ち前の明るさ…というか…。
らしくないんだよ。感情を押し殺したというか、とても悲しい霊圧。
それでもって隊長クラスの強い霊圧」
「隊長クラスの強い霊圧!?」
春水の言っているのが
のものなのか?
まったく別人なのか?
考えれば考えるほど気になって仕方がない。
「ま、そのぐらいの強い霊圧ならば、また何処かで感じることも多々あるだろうよ。
まだ
ちゃんの霊圧だと決まったワケじゃないし。
とりあえず、お前サンは少し横になった方がいいんじゃないかい?顔色がよくない」
そう言うと春水は雨乾堂を後にした。
春水がいなくなり、布団の中へ入った。
少し疲れたかな…と目を閉じる。そして、
「なあ…
…。お前は一体何処で何をしているんだ?
俺はお前に会いたい…会って色々話がしたい…」
そうつぶやいて十四郎は、まどろみの中へ身を沈めていった。
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