護るべき者の盾になりたいのは
俺のほうなんだ…




































「fill」

- 04 -































が俺の看護に来て一週間が経った。
薬もちゃんと飲まされ…じゃなくて飲んでいるせいか今は平熱を保っている。
は相変わらず無表情で、会話も事務的なことばかりで。


「あのなあ… …「浮竹隊長、今日の夕方ですが、急用で少し伺うのが遅れるかもしれません」」

「急用?」

「はい、先程、地獄蝶が来まして、これから前線へ参ります」

「前線…」

「新人の実習も兼ねてますので、遅くはならないと思いますが」

「どこの隊の前線なんだ?」

「東仙隊長の処…九番隊です」

「そうか…」

「おそらく夕方前には戻ってくるかと思いますので、心配無用です。それより薬は必ず飲んでください」

「わかった、わかった」


そういうと は雨乾堂を後にした。

 


「そうだよな、 の任務は俺の看護がメインではないんだっけか…」


アイツはアイツなりに頑張ってきたんだ…
何十年来の親友と再会できてのほほんとしている場合ではないのだ。
こうやって事務的ではあるが、会話ができるだけでも感謝しないとなあ。

 


そう思いつつ、少し眠った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3時間ぐらい眠ったであろうか。
突然、雨乾堂の襖が開く。

 

 

 



「浮竹っ!」

「京楽!どうした、こんな時間に。珍しいな」

ちゃん、今日は来たか?」


春水にも の件は連絡済で、その時の喜びっぷりはなかなかのものであった。


「ああ、帰って大分経つかな。今日は九番隊の前線へ合流するとか言ってたな」

「なんだって!?あの体で行ったのか!!」



十四郎は春水の言っている意味がわからなかった。
何か問題でもあるのか?と聞くと


ちゃんなあ、昨晩、上層部の施術を朝までやっていたらしくって
 今はほとんど霊力がないハズなんだ」


霊力は減っても休めば、また元の霊力に戻すことが可能だ。
しかし、 のように多量に使った直後に任務へ行くというのは
かなり危険な行為であって…


「それ本当のことなのか!?」

「ああ、さっき卯ノ花君にたまたま会って、そう話していた」


それでは死に行くようなものではないか!
いくら新人実習だからといっても…。
なにが『心配無用です』だ!


「京楽!四番隊詰所に行くぞ!」

「待て!そんな体でどうすんだ?」

「そんなこと二の次だ!」


仙太郎!清音!ちょっと出かけてくる!と
外に声をかけて十四郎は出ていった。
それに気づいた二人が「「 隊長!どこへ!!」」と聞き返しているときには
十四郎の姿はなく。




「相変わらず ちゃんのことになるとムキになるねえ。すばらしきは恋のチカラ…か…v」


ではボクも我らが姫君の助太刀を致しましょう…
そう言って春水も四番隊詰所へ向かった。

























 *






































「卯ノ花!」

「浮竹隊長、京楽隊長…」

は…どのあたりに行ったんだ!!」

「教えてどうするのですか?」

「決まってる!連れ戻すんだ!」

「……」

「卯ノ花!」


いままで黙っていた春水が卯ノ花に話しかけた。


ちゃん自ら前線実習に行くって行ったのかい?そんな状態でも」

「はい」

「なぜ…?」

「…彼女の意地です」

「意…地…?」

「彼女… 殿は、この四番隊に入ってきた日に
 『私は強くなって、護るべき者をずっと護っていきたい。その為にここに来ました』と仰っていました。
 はじめは誰のことを言っているのかわかりませんでしたが、次第に誰を護りたいのかがわかってきました。
 自分よりも強い者を護る為に彼女は彼女なりに努力をしてきたのです。だから弱音は吐けない。弱音を
 吐いた時点で自分の成長も終わりだと…」

「だからって…」

「それに、自分の部下達の前に立つのが長としての役目だと。
 この2つだけは彼女のゆずれない想いなのです」


「しかし上に立つ者が倒れてしまっては何の意味もない!」


「それでも…」


「それでも!?」


「自分がもし立てなくなってしまっても、私は護るべき者の盾になりたい…と」


の決意が十四郎にとっては痛く感じられた。
もともと頑固な性格はわかっていたが、それがここまでのものだとは思っていなかったのだ。





「とにかく、そんな状態で前線実習なんて無謀だよ。とにかく ちゃんを連れ戻さないと!」


春水がそう言った直後、四番隊詰所が騒がしくなる。
どうやら前線から隊士達が早めに戻ってきたらしい。


「京楽!帰ってきたようだ!」

「心配しすぎだったか?(苦笑)」

 

 

 





「卯ノ花隊長、失礼いたします」


「お入りなさい」



「上級救護班および特別救護班、ただいま帰還いたしました」



上級救護班の班長が報告に来た。
だが特別救護班班長の の姿はなく、


「ご苦労様です。それで特別班の 班長は何処ですか?」


「はっ、そ、その…」


「おいっどうした?」


十四郎の霊圧が少し上がった。
その霊圧にあてられ、上級救護班の班長がおびえる。


「浮竹ー。そんなに怒っては話せるものも話せなくなっちゃうでしょーが。
 で、キミ、知ってるんデショ?」


春水があらためて の居場所を問う。



班長は…『やることがあるから先に戻れ』と仰られて…」



「…なんだって」








上級救護班班長の話によれば、 は新しく入った隊員のフォローをしつつ任務をこなしていた。
しかし珍しく疲れていた様子だったので、自分の持っている霊力回復の薬を渡そうとしたが
『それはもしものときにとっておきなさい』と言われ受け取ってはもらえなかった。
その後、戻る際に『先に帰れ』と言われ、特別救護班達も一緒に帰還したらしい。




 

「何故、おぶってでも連れてこなかったんだ!彼女の調子が悪いことを知っていたんだろう? 」

「何度も『一緒にもどりましょう』と言ったんです…でも」


「でも…?」

「最後には霊圧を上げられて…凄い形相で『先ニカエレ!』と…」


「じゃあ、今アイツは現世に一人だけで居るのか!?」

「他の隊の連中が見つけてくれなければ…今の状態で別の虚と出くわしたら、まずい!」

「霊力がない状態で現世にいるなんて、死に行くようなものだ」

「おいっ!キミ!場所は何処なんだ!!」

「ば、場所は…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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