「it nurses(ukitake ver.)」





















今日は朝からスッキリしない--------------------------。
は雨乾堂へ行く途中、ずっとそう感じていた。




























「最近、ずっと忙しかったから、そのせいだと思うんだけど…。」



























まあ、明日は落ち着きそうだから…と、明日、有給休暇をとらせてもらった。
そして今日最後の仕事、それは雨乾堂へ行くことだった。






























「それにしても今日は寒いわね。秋の夜は冷えるから、お鍋でもつつきたいなぁ。」






























十四郎の調子が良ければ夕飯でも一緒に食べよう…。
そんなことを思いながら、足を急いだ。






































































「こんばんは、十四郎。」
「おっ、来たな!特別救護班。」
「遅くなっちゃってゴメンナサイ。コレ、明日の分の薬だから。」
「明日の?」
「そう。明日ね、有給休暇を貰ったので、ココに来られないから。」
「そうか。休みをとるなんて久しぶりなんじゃないのか?」
「そうだね、久しぶり。」





















もうこんな時間だから、今日は任務終了なんだろ?
と、浮竹はお茶をすすめながら言った。






























、夕飯でも一緒に食べないか?」
「フフフ、そう言うと思ったv」
「なんだよ(笑)」
「私ね、食べたいものがあるの。」






















から夕飯の希望を言ってくるなんて珍しいなと浮竹は思ったが、
自分には特別嫌いな食べ物もないし、 なら現世にしかないようなトンデモナイものを
言ってくることはないので、彼女の希望をあらためて聞いてみた。

























「で、何が食べたいんだい?お姫様。」
「『お鍋』!水炊きとか味噌鍋とかもいいなあ…。」
「いいな!鍋か!」
「十四郎の調子がよければ、いつものあのお店の鍋を食べに行きたいな…って思ってね。」
「最近はすこぶる調子が良いから大丈夫だ!じゃあ行こう!」


























かなりご満悦の浮竹。
二人で仲良く鍋をつつきに出かけた。
































































 *









































































夕飯も食べおわり、
明日休みなら、今日はゆっくりできるんだろう?と
浮竹は を雨乾堂へ誘った。



































「いつも雨乾堂で悪いが、茶ぐらい飲んでいけよ。」
「雨乾堂は居心地が良くて、私は大好きよ……でもね」
「どうした?」
「なんかね、今朝からなんかスッキリしない…というか、寒いというか…。」
「なんだ、調子悪かったのか?」
「調子が悪いって程でもないんだけどね、たぶん忙しかったから疲れたんじゃないかなって。」
「疲れて寒いなんて言うもんか。第一さっきの鍋で暑いぐらいだぞ?」
「…そかな?とにかく家に帰って早く休もうと思うから……。」



































浮竹は の体調が心配だった。




































「寒いって言ったよな?  、お前熱があるんじゃないのか?」
































そう言って、浮竹は自分の額を の額にくっつけた。
この二人(京楽を入れて3人なのだが)昔からの親友なので、普通じゃハズカシイような
事をしてもされてもしれっとしている。
いや、平気なのは鈍感な だけで、男連中はいつもドキドキしているのかもしれないが。



































「どお?」
「ありそうだな…。まだ寒いか?」
「寒い。」
「…そうか。」



































すると浮竹は一言「悪い!」と言って を抱え、瞬歩で雨乾堂へ向かった。







































「じゅ、十四郎!?」
「とにかく中へ入れ!」
「う…うん。」
、ちょっと待ってろ。」


































浮竹は を雨乾堂においたまま何処かへ消えていった。
「十四郎、一体何を…?」


まもなくして浮竹が帰ってきた……その手には盆に乗った湯飲みが二つと小さな紙袋。
































「十四郎?」
「いいから、これを飲むんだ。」
























よく見ると、それは四番隊から支給されている風邪薬。





























「これをわざわざ詰所から持ってきてくれたの?」
「お前、風邪だろ!」
「かっ、風邪?」




























風邪!
四番隊隊員ともあろう者が!!
しかも看病しなくてはいけない人に看病されてる?

は熱のせいなのか、恥ずかしいからなのか…
とにかく頭がクラクラしてきた。



































「あ、ありがと…十四郎。飲んだら帰るから(^^ゞ」
「何を言ってる!トリアエズ落ち着くまでここで寝ろ!」
「えっ??」

































男と一つの部屋で布団をならべて眠ることよりも、
自分の患者が眠っている部屋に、治療する者が一緒に眠ることが
にとっては恥ずかしかった。


































「十四郎…遠慮しとくよ〜」
「ココがイヤだったら、隣の部屋が空いているから、そこでもいいぞ。」
「そうじゃなくてね、十四郎に看病されるのって逆じゃないかって…。」
「具合が悪いのは事実だろ!俺は今は調子がいいから大丈夫だ。」
「調子が良いときに、風邪でもうつしたらタイヘンだし…。」










「いいから、寝ろ!横になれ!!」











十四郎に一喝されて、しぶしぶと は畳の上へ横になった。
そこへすかさず十四郎が枕と掛け布団を持ってきて に掛けてやる。





























「もう〜 十四郎!心配しすぎだよ。」
「『風邪は万病の素』って言うじゃないか!」
「それはそうだけど…」
「それより、顔が紅くなってきてるぞ!」































事実、 の熱は上がっていた。
は浮竹に抵抗しても無駄だろうと観念して少し眠ることにした。

































「じゃあ…お言葉に甘えて、少し眠らせてもらうね。」
「あぁ」


































一言、浮竹にそう言って、 は眠ることにした。
熱がかなり上がってきたようで、 の呼吸が少し速い。
浮竹は水で濡らした手拭いを の額に乗せ、そのまま自分の手を の頬にあてた。
水で冷えた浮竹の手は彼女にとってとても気持ちよく、 は「ふう」と息を付いた。


































いつも看病される側の浮竹であったが、今日は逆である。
大切に想っている人が少しでも具合が悪いということが、こんなにも心配で切ない気持ちになることを
浮竹はあらためて思った。
それと共に、いつも自分を診てくれている に感謝した。


































「疲れから来ているのか…?」
































ときどき額の手拭いを替えながら浮竹は考える。
だいたい は働き過ぎなんだ。京楽の様にヤレとは言わないが、もう少し自分を大切にして欲しい……と。

































「注意をしたところで、 が言うことを聞くとはおもえんがな。」

































なにしろ、鈍感で意地っ張りだから……。

フフッと浮竹は笑った。






























「とにかく自分の身体を愛えよ…。じゃないと俺が持たないからな。」
































の顔をしばし眺めながら、語りかけるようにつぶやいた。






























 END


























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