「守って欲しくない」














 








「危なかったな、
「何が『危なかったな』よ!」









ガイと は、Aランク任務が終了し「人生色々」にいた…が、
がいやに怒っている。
同じ任務についていたカカシはヤレヤレといった顔をしながら をなだめた。









も少し落ち着いたら?」
「そうだ!怒ってばかりだと身体に毒だぞ !」
「だれが怒らせてるのよ!」
「ガイ、お前が話すと余計 が怒っちゃうよ」









しかし、何故ここまで が怒っているのか?
Aランクであった任務も予定より遙かに早く終わり、失敗もなかった。
しかもガイ、カカシ、 のスリーマンセルというのは、
技術は勿論のこと、息もピッタリのベストチームなのだ。









「昔っからそうよ!いつもいつも!!」
「お前を守るのが俺の役目だからなッ♪」
「なんで守るのよ!私も上忍よ!?ガイやカカシと同じじゃない!」
「同じだが『女性』じゃないか」
「あのね、私は身分のお高い貴族じゃないのッ!忍者なの!木の葉の忍なの!!」
「しかしだな…」
「もういいッ!」









は外へ飛び出してしまった。
ガイは『またやってしまった』という顔をしながら少々落ち込んでいる。
そばで見ていた、紅やアスマが呆れ顔でガイに話しかけた。









「ガイ〜、 がかわいそうじゃないの〜」
「お前がそんなに面倒みなくても、 はもう一人前だぜ?」
「…そんなことはとっくにわかっているんだ…」
「わかってるならなんで が嫌がることをするのよ…」
「お前がわかっていても、やっていることは認めてないのと一緒じゃねーのか?」
「……」









ガイは、窓の外を見ながら、ただ黙っていた。



















































































「人生色々」を飛び出した は、目の前にいるカカシに気づく。









「カカシ…」
ちゃん♪」
「『 ちゃん』って…『ちゃん』づけしないでよ…不気味だわ…」
「ちょっと…いいかい?」


















  








































 
屋根の上の…人が居ない処へ二人は移動して、腰を落ち着かせた。









「なに?」
「あんなに怒ることないんじゃなーいの?」
「…わかってるわよ…でも」
「でも?」
「小さいときからそうなのよ?」









ガイと は幼なじみで、本当に仲が良い。
昔、ガイ少年は『ボクは忍になって を守るんだ!』と言って本当に忍になってしまった。
はガイが自分のことを守ってくれるのが本当に嬉しかったのだが、
今度は に『ガイを守りたい・迷惑を掛けたくない』という気持ちが芽生えてきた。
そしてその為には自分も忍になることだと考えた。
このことをガイ本人に話したら絶対反対されるだろう。
は理由を隠してガイと同じ忍になった。









「ガイのこと、嫌っているワケじゃないんデショ?」
「嫌ってるわけないじゃない!ただ、私を守る余裕があるなら、もっと自分を大事にして欲しいのよ」
「いや、ガイは結構強いからねえ…余裕なんじゃないの〜(笑)」
「言い切れる?絶対に強いって言い切れるの?」
「そりゃあねぇ、絶対とは…」
「私を守りながらということは、それだけ危険も増えると言うことなのよ…それを考えると不安で、心配で、怖くて…」
「ガイは幸せモンだよ(笑)」
「え?」
もね…幸せ者だね(笑)」









片方しか見えない目を弓のようにすると、一陣の風と共にカカシは何処かへ消えていった。















































































数日間、ガイと は出会うことはなかった。
あのスリーマンセルで会うときはAランク・Sランクの任務の時のみ。
それ以外は、自分たちの教え子たちと任務にあたる。
ガイと会わないということは、ガイが自分に神経を張り巡らせていないことも意味するので、
は安堵した…ほんの少しの淋しさと共に。










先生、こんにちはデス!」









はこの日、休暇を取っていた。取っていたというよりは代理休暇。
休みたいときには休めなく、休まなくてもいいときに休む。
忍なんてそんなもので、特別予定のない は木の葉の街中をブラブラしていた。
そこへガイそっくりな少年------------------ロック・リーが に声をかけた。









「あら、リー君!今日は任務?」
「いえ、今日は修行デッス!」









ガイは任務じゃないんだ…と は思った。
でも、そういう時は、このリー君と修行だと言って共に汗を流しているのが常なのに、今日はいない。









「リー君、一人なの?」
「はい!ガイ先生は今日、任務から帰ってくる予定なので、今日までは一人で修行です!」





























今日、任務から帰ってくる?
じゃあ、いつから任務だったの?何の任務だったの?





























「ねえ、リー君、ガイは何の任務だったの?」
「任務だとお伺いしましたが、内容までは…」
「いつからだったの?」
「一週間前からです!」









一週間前!しかもこの子達には内容が知らされていない!?









「リー君、もしガイが帰ってきたら教えてくれる?」
「了解しましたッ!」









は急いで「人生色々」へ向かった。
































































「ガイは!?」









思いっきり『人生色々』の扉を開け、周りを見渡す。
カカシが を待っていたかのように近づいてきた。









「カカシ!ガイは帰ってない?」
「…帰ってるよ…」
「何処にいるの?」






























「………病院」






























カカシが色々説明をしてくれてたようだけど、
何を言っているのかわからなかった。聞こえなかった。
急いで病院へ向かうと、病院の待合所に紅とアスマがいた。









…」
「紅!ガイは?ガイはどうしたの?」
、落ち着け!今手術中だ」
「手術って…大丈夫よね?ガイは平気よね?」
「…わからん。火影次第だ…」
「火影様次第って…」









紅が言うには、ガイは一週間前、Aランクの任務を1人ですることになったそうだ。
Sランクではないが、Aランクをたった1人でこなすというのがどれだけ危険なことか!
任務の内容までは極秘らしいので詳しくはわからないようだが、ガイは完璧に任務を遂行した。
そして彼は木の葉へ戻り、そのまま倒れて意識不明の重体となった。









「ガイが忍として復活できるか…」
「そんなこと!生きていてさえくれれば!」
「…そうだな…」









アスマが、火をつけていない煙草を指で折り曲げたとき、
手術室の扉が開いた。

























































































手術から約1週間、ガイは恐るべき勢いで快復に向かっている。
3日間は昏睡していたとは思えないほどの快復ぶりだ。
しかし、まだ歩くことはできないので、 が付きっきりで看病をしていた。









「ガイ、リンゴ食べる?」
「あぁ、悪い」
「まだまだ無理できないんだからね、病院内で『修行』とかしないでよ」
は何でもお見通しだな(笑)」









ホントにヤル気だったのね……(汗)。









林檎を楊枝に刺してガイに渡そうとしたとき、ガイが独り言のようにしゃべり出した。









「あの時、俺はもうダメだって思ったんだ」
「……」
「でもな、俺は絶対に木の葉に帰らないといかんと思って、必死に走った。
 気が付くと『人生色々』に居て、そのまま意識が遠のいた…」
「ガイ…」
「手術が終わって3日間意識がなかったとき、遠くで の声が聞こえたんだ…」
「え…」
「『ガイ!私はアナタを守りたい!守らせて!』ってな…」
「……」
「忍はいつ死ぬかわからない稼業…それはしかたのないことだ……。でも俺には死よりももっと辛いことがある…」
「死ぬことより辛いこと…?」























































「生きているのに、 を守れなくなることが一番辛いんだ…」























































小さいときに見たのとは違うガイの涙を
は初めて目にした。






























































































ガイは退院した。
執刀した綱手でさえ『お前の身体は人間じゃないのかもねえ(笑)』と驚くほどの快復だ。
しかしさすがに愛弟子リーと一緒の修行はツライので一人黙々と簡単な修行をはじめた。










「ガイ〜、そんなに身体動かして平気なの?」
「ああ、動かさないと余計に固まってしまうからな」









ガイの様子を見に来た は笑顔で彼に話しかける。









「ねえ、何時からここにいるの?」
「う〜む、5時くらいか?」
「もう7時すぎよ。朝ご飯一緒に食べようかと思って、お弁当持ってきたんだけど…」
「お、 の手作りか!じゃあ一緒に食べよう!」









ガイがやっと動きを止めたので、 はタオルを渡そうとした。
ガイはタオルを掴まずに の手首を掴んで









「これでまた を守ることができるなッ!」
「まだそんなこと言ってるの!?もうやめてよ!」
「やめる訳ないだろう(笑)俺が一生かけて誓ったことだからな」
「この間、あんな目にあったのに…少しは自分のことをもっと…」
「しかしだな、今回は…というかこれからなんだが…1つ に頼みがあるんだ」
「頼み事?」








































「俺はこれからも を守る…いや守りたい…
  は俺が無事にこの世に毎回帰って来られるように、たまに祈って欲しい…」








































はガイの言っている意味がわからなかった。









「ガイの言っている意味が…」
「この間、意識が無かったときに の声が聞こえたって言っただろ?
 俺は、あの声が聞こえたから帰って来れたんだと思っている。
 だから、これからも俺が命の危機にさらされているとき、俺が頑張れるように、
 
木の葉へ帰って来られるように少しだけ祈って欲しいんだ!」
「……」
?」
「…いやよ!絶対!!」
「!(ショック!)」
「私は守ってもらうのもイヤ、ガイが危険にさらされるのもイヤ、もうあんな姿を見るのもイヤなの!」
「……」
「もうね、心配で心配で…たまらなく不安で… ガイが居なくなるなんて考えられないし…。
 とにかく私の前から消えて欲しくなんかないの!」
「ならばいつも のそばにいるためにも俺が を守らないとな(笑)」
「…ガイ…意味わかってるの?」
「ああ、わかってるさ(笑)」









ガイは始終笑顔で…。
でもいつもの笑顔とは違った、本当に嬉しそうな笑顔で。
わたしも釣られてガイに微笑んでしまった。









ガイは『少しだけ自分のことを祈って欲しい』って言ってたけど、
私がいつもガイのことを心配していたことは本人も知っていたようだ。
何故守ろうとすると怒るのかも…。逆にそばにいないと淋しそうな顔をするのも…。
きっと私が何故、忍になったのかも知っているんだろうなあ…。
























































その後、ガイはいつも通り木の葉を守り、私のことも守ってくれている。
私はというと、忍は辞めてしまったけど、ガイとの家を守るという身分になった。







































毎日毎日、彼が無事に帰ってくることを祈りながら-------------------------------------。
































 END


























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