「please sing a song」





















お昼の休憩時間に、瀞霊廷が見渡せる丘へ足を運んだ。
ここはあまり死神連中も来ない。

緑の多い、なんとも綺麗な処で、
私はこの場所をよく訪れる。









眠いとき、一人になりたいとき、ボーッとしたいとき…
とにかくこの場所が大好きだ。





























…と、珍しく今日は誰かいるらしい。





























こんな良い場所を私だけが知っているはずはないか…と
少し苦笑しながら、遠巻きに先客を見つめた。






























その人は、寝転がって…歌を歌っていた。
その歌は私が聴いたことのない歌ではあったが
とても素敵なメロディだった。






























それよりも声がいい。
なんかこう…歌と声がマッチしているのだ。

しかし、先程から感じるこの霊圧は…
自分がよく知っている馴染みのもの。






























「春水!?」










吃驚して思わず大きな声で名前を叫んでしまった。
すると、歌声は止んで、その人は上半身を起こしてこちらを見た。









私は四番隊とはいえ、特別救護班に所属しているので、霊圧を抑える…というか隠すのが当たり前になっている。
それは、極秘任務地に赴き、そこで治療をしたりすることもあるから。
だから、振り向いた方も今まで気付かなかった存在に少しだけ驚いたようだ。









「誰だい?」
「春水?」
「…… ちゃん…」









春水は、一番愛しい人とこの様な場所で出くわしたことが、
驚きであり、とても嬉しかった。









「何故、 ちゃんがここに…」
「春水こそ…なんで?」
「ここはボクの昼寝場所さv」
「私も!ここは一人でボーッとしたいときに来てるのよ」
「そいつは奇遇だv」









顔を見合わせてニコッと微笑んだ。
は春水の隣に移動して、同じようにゴロンと横になる。
空には雲がゆっくり流れていて、とても気持ちが良かった。





























「ところで、春水」
「ん〜?」
「さっき歌っていた歌。あれは何の歌?」
「あれかい?あれは現世の歌だよ」
「現世の歌…」
「そvこの間、現世へ行ったときに街でよく流れていたんだ。きっと流行っているんだね…」









その歌の内容は、君だけのヒーローになるからもっと自分に夢中になって…
というような恋愛の歌らしい。



















「春水の為の歌ってカンジだね(笑)」
「そうかい?」
「それに春水ってイイ声してるね」
「な〜に、今頃気づいたの(笑)」
「ね、もう1回さっきの歌を歌って!」
「え〜、ただ鼻歌を歌ってただけさ〜」









歌を人に聴かせるガラじゃないからなあ…と
少しテレながらも、想い人の頼みならばと歌い始めた。
春水の低めの声は、まるで自分にささやいているようで、
はとても心地よかった。
















 

 

 

 

 

 

 

 

 







しばらくして、
隣で規則正しい寝息を感じ、春水が顔を横に向けると
愛しい人が気持ちよさそうに眠っている。








「ボクの子守唄は高いよ〜  ちゃん」









春水は自分が羽織っている着物を脱ぐと
にかけてやった。
すると、 が春水の方へ寝返りをうったものだから
少し驚いてそのまま固まってしまった。



















「ヤレヤレ…。参ったね…」



















普段の春水なら喜んでギューッと抱きしめるだろう。
しかし本命にはなかなか手を出せない男がここにいる。
おずおずと先程かけてやった着物越しに手をかけて
添い寝をするかのように、春水も眠りに入った。






































「あとは夢の中で歌を歌ってあげるヨ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きっと の夢の中に届いているだろう…。
































 END


























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