「scissors-paper-rock」



 

 

 

 

 

 

 







「あー、今日は少し熱っぽいでしょ…。」

 



いつものように、四番隊からきた
雨乾堂へ入るなりそう言った。
しかし、十四郎は

 




「そうか?いつもと変わらないと思うが?」


 



と、強がりなのか何故か平静を装う。
何を言ってんだか。頬が少し紅いのに。

十四郎としては、自分の想い人にあまり弱い処を見せたくないらしい。
まあいつも微熱ぐらいは常に出っぱなしなので、熱にはかなり強いようだが。

 

 

 



「はいはい、熱が出ている人は、おとなしく眠ってくださいね〜」

「子供扱いだな…」

「じゃ、ガンバッテ熱を下げましょうー!」


 

 

 


本当にそんなに辛くないんだ、と に言ってもあまり相手にされず。
それがちょっとクヤシイので、

 

 

 




「じゃあ、顔が火照っているから、少し外へ涼みに行こう!」

「は?何言ってるの?もうすぐ夜だよ?夜風なんて体にドク!!」


 

 

 


発作が出たらそれこそ大変。ただでさえ熱が出ているのに
何を言っているの?と は少し怒っていた。


 

 

 


「…なあ、 。お前怒ってない?」

「当たり前でしょ。子供じゃないのに『お外行きたい〜!』なんて言って。」

「『お外行きたい〜!』なんて、そんな言い方してないぞ。」

「言っていることは同じ!」

「眠くないんだよ。」

「眠いとか眠くないとかの問題じゃないでしょう。」

「せっかく が来ているのにずっと眠っているのは失礼だろ?」

「大丈夫です!ほぼ毎日十四郎のために四番隊から往診に来ていますから!
 いつでも会っているじゃない」

「うっ…」

 

 

 




は四番隊に所属。浮竹専用の救護班として、ほぼ毎日、
この雨乾堂へ足を運んでいる。しかも浮竹の親友。位は隊長が上でも
かなり強気の発言が には出来るのだ。



 

 




「ヒマだー!何かして遊ぼう!!」

「遊ぼうって…ホントに子供…。 …十四郎坊!!」

「じゅっ、十四郎坊!?」

 

 

 



仙太郎と清音の前で『十四郎坊』って言ってみようか?
少し意地悪そうに が言った。

 

 

 



「うわっ!それはヤメテくれ!!」

「じゃあ、大人しく寝ましょうね〜 十四郎坊v」



 

 



うーむ、やっぱりクヤシイ。
………………………そうだ!

 

 

 






「今度は何?」

「じゃんけん…じゃんけんしよう!」

「じゃんけん!?」

 

 

 

 


これまた、なぜじゃんけん…?

 

 

 

 




「俺が負けたら、大人しく眠るとしよう。もし俺が勝ったら…」

「十四郎が勝っても眠るのよ!」

「ああ、いいよ」

「!」

 

 

 


思っても見なかった言葉が出たので は少し驚いたが、
十四郎が眠ってくれるならイイと思ったので、

 

 

 



「いいよ、じゃんけんしよう」


 


と言った…が、

 

 


「で、私が負けたらどうするの?」

 

 

 

 



と十四郎に聞いた。
勝っても負けても大人しく眠るとは考えられないし。


 

 

 


「大人しく寝るけど、俺がもし勝ったら、1つだけ言うことをきいてくれ」

「だと思った。…いいよ、それで。」

 

 

 




寝ると言っているのに言うことをきけというのも変だと思ったが、
じゃんけんをすれば、とにかく眠ってくれるのだから。

 

 

 




「それじゃあ、行くよ〜」

「「じゃんけん ぽん!」」

「あ!」



 



「勝ったな(ニヤ)」


 




「あーん、負けたー!」



 

 




だいたいな、 は最初にグーを出すんだ…(笑)
本人は気づいているんだか…



 

 

 


「十四郎。1つ言うこときいたら、ちゃんと寝るんでしょうね」

「もちろん」

「じゃあ…何?」








 

 

 


 





「寝付くまで、俺と手を繋いでること!」







 


 

 

 






「ん、いいよ」









 

 





十四郎は驚いた。なんの躊躇もなく「いいよ」と言われ。
逆に自分のほうが少し恥ずかしくなってきた。


のほうは…というと、熱があって少し不安にでもなってるのかな?
と思っていたわけで、とにかく十四郎に眠って欲しかった。

 

 

 

 





「じゃあ十四郎。眠って。」

「あ、ああ。」

 

 

 

 




そういって布団の中に入り、手を出した。
の手は少し冷たくて、十四郎には心地よく感じた。


 

 







「大丈夫だよ。眠っても、繋いでいるから。」




 

 






が十四郎に微笑みかけた。
十四郎の手が彼女にとって熱く感じられ、



 

 

 




「やっぱり熱あるね… おやすみ…」


 

 

 




とつぶやいた。




 

 

 

 







「熱いのは熱のせいじゃないんだ…」



 

 

 

 

 





十四郎は心の中で にそう言った。















 

 

 










 END


























画面を閉じてmenuにお戻り下さい。

------------------------------------------